緑茶戦争のさなかで

今日の午後、ようやく一番茶後の整枝作業が終わりました。
作業後の茶園を見渡すと最初に刈り始めた圃場の茶畝には遅れて出てきた葉がペラペラと出ていてあまりきれいではありません(方言で言うならブショッタイ)。今日も同じように刈り掃ったつもりですが後に刈った茶園ほどきれいな仕上がりになっています。この原因は刈り取り初期の茶園は一番茶の時にみる芽刈りをするので遅れ芽多いということです。遅れて出てきた葉が層をなして群れるので機械刈りの刃では刈り取りきれないのです。

今日の農業新聞東海版では検証~一番茶を振り返る~緑茶ウォーズ’08というトピックスで静岡茶市場の佐藤参事さんが「40年間、茶の取引にかかわってきたが、こんなに悪かった年は初めてだ。」という出だしでコラムを書いていました。年々リーフ茶の需要が減り続けていることで茶商の在庫は多くなり、仕入れ値が低迷→必要な分だけ良品質を選んで買う→早い時期・みる芽で収穫→出荷量が減る→量は減っても取引価格は上がらない→農家の生産意欲が落ちる→茶業界の活気が無くなる→消費者の関心が薄れる→茶商の在庫が増える・・・。このような悪循環が茶農家と市場の間で巡り回っているように思えます。よその産地で作っているのなら無理をして作らなくても・・と茶の生産現場から離れてしまう農家もいます。

お茶の整枝作業をしながら考えていたことは、美味しくて甘いお茶は高級なイメージがつきまとってしまいコーヒーやジュース類、ペットボトルのお茶に比べると敷居が高く感じられるのかもしれません。販売に携わる農家は、緑茶を飲む生活習慣が無い消費者にもう少し気楽に、楽しくお茶と付き合えるようないろいろな提案をしていくと良いのではないかと思います。


一仕事終えたので今日は椅子に腰掛けて寛ぎたいです。


写真は茶園の横で杉の根元を飾るガクウツギです。
このまま切り株にして坐ってみたいです。

(AYA)
by mgarden2 | 2008-05-28 21:11 | | Comments(0)
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