日没までに

今日で寿太郎みかんの収穫が終わりました。同時に今年のみかんの収穫を全て終えました。昨夜は一日で残りのこの量を切り終えるだろうか、と、心配もありました。そして、今ではみかんの農繁期も年を越すことはないのでのんびりと切ればいいのですが、今日は息子が休みで手伝いにきてくれることになったので<よく頑張った。おまえが来てくれたから母さん達は今日中にみかんを切り終えることが出来たんだよ。>と、今日の仕事の終わりにそんな一言をいいたいばかりに頑張って切りました。
 
 途中で外観がうす汚れた寿太郎を切って食べてみました。けれども、11月に収穫して貯蔵庫に保存したおいたものに比べると採り立ては味にまろやかさが感じられません。寿太郎は熟成を好むみかんで、他の多くの果物同様、完熟してようやく本来の味が出てくるんだと思いました。そんなところは人間にも通じるところがあるように思いました。

午後3時を回り、収穫するみかんの樹は残すところあと10本ほどになりました。みかん畑の周りは田んぼが広がり、西の山には冬の短い日が沈もうとしていました。夕陽を見ながら、ふと、「走れメロス」の話が頭の中に浮かんできました。それで息子に走れメロスの話を聞かせながら切り続けました。このみかん切りが日没までに終われば息子の今日の成果を褒めてやる事ができる。小さな手に不相応なごっついみかん鋏を握り、みかんの軸と格闘している息子に。

寿太郎みかんと収穫中の息子

夕方4時を回る頃、ようやく全てのみかんを切り終えました。
寿太郎は植えてまだ4年目の若木です。息子が成人する頃には立派な稼ぎ樹に生長しているでしょう。息子が成人する頃、どのような果物が消費者の需要を引っ張っているのかわかりません。けれども、現在働いている農家一戸一戸が、今、どのような取り組みをしているかによって今後の消費者の需要が作られることもあると思います。寿太郎も息子も、大きく立派に育って欲しいと願いながら今年の収穫を終えました。

(AYA)
by mgarden2 | 2007-12-15 19:43 | みかん | Comments(0)
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