写真は地植えのジャボチカバを抜いた後の土
果樹温室の南側に植えているジャボチカバの樹を2/3ほど抜いて10号鉢に移し変える作業を行っています。これは今年の果樹温室の暖房費を抑えることが主な目的です。温室全面に渡ってコの字型に配置していたマンゴー鉢を全て南側に置き、温室の中心にビニールカーテンを吊るして南側だけ暖房が行くようにするのです。暖房範囲が狭くなることで燃料費を節約するという計画で、これから北側のジャボチカバには冬の寒さに耐えてもらうことになります。
樹の植え替えをする際に思い出す話があります。
屋久島の瀬切川流域原生林保存をテーマにした天声人語の一文です。
この一帯の国有林の伐採がはじまれば、原生林の生態系は崩れる。政府はこう反論するだろう。「保護には充分留意している。瀬切川右岸の八百ヘクタールについても、その四割は禁伐地にし、二割は『最低限の伐採』にとどめるつもりである。択伐、皆伐地域は残りの四割にすぎない。」問題の本質は「数字」ではなくて「哲学」なのだ。屋久島原生林をカネのなる木とみるか、それとも聖なる緑の原郷とみるか。営利の対象とみるか、子孫に伝えるべき文化財とみるか。
ジャボチカバもマンゴーも、いつまでも安らぎの樹でいられるように、冬には冬の環境を整えながら育てていきたいと思います。
(AYA)