みかんの値段

早生みかん高林の収穫を続けています。
平地の園では皮がぶくぶくとした浮き果がいくつか目立ち始めました。
これを予防するために薬剤を使うこともありますが、浮き果の多い樹に対して
土質の改良や肥料の工夫等で防止すれば同時にもっとしまりのある味になるのでは
ないかと思いました。ここへきてもまだ小ぶりのみかんの味は良くなってきました。
(職務中に商品を食べてばかりいるのがバレバレですね)

今日の農業新聞に一面で<ミカンで緊急出荷調整>の記事が出ていました。
全国果実生産出荷安定協議会の措置によるものでみかんの価格が予想以上に
低迷しているため月末まで出荷を2割カットするとの事。
我が家の場合は出荷先の9割以上は市場ですが、いつも出す市場では
毎年11月19~20日はえびす講があるためその数日前になるといつもみかんの
値が大きく下がります。
昔、父がみかんを出荷していた頃、市場の関係者から
「近くえびす講があるので沢山出してくださいよ。」
と激励(?)されて多く出荷したところ、値は逆に下がっていたということが
あったそうです。それって良い値で買うというのではなくてイベント用の
ボランティア品は大歓迎ということだったのですね。

先日、夫に
「えびす講の前にはみかんの値が下がるから出荷しない方が良いと思う。
 みかんの価値が下がってしまうから。」
 と話したら、夫は
「みかんの価値は値段で決まるのか。」と発言に疑いをかけられました。
樹にぶらさがっていたみかんも商品となった以上、値段も価値の基準の一つに
なると思っているのですが・・。

先ほどTVで探求ロマン世界遺産~ワイン聖地・フランス・センテミリオン~を見ました。
格付けされたフランスのワイン農家の話の中で
<(ワインも)多くの人々に合わせて味が均一化されていく傾向にあるけれど
独自の味を守り続けることが大切>と希望に向かって努力をされている言葉が
印象に残ります。

農家にとっての価値と消費者にとっての価値が一致すればこんなに素晴らしい職業は
ないんじゃないか。って思いました。

MGarden(AYA)
by mgarden2 | 2005-11-17 21:41 | みかん | Comments(0)
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