万博会場は夜遅くまで開いているので、あるいは午前中は別のところを見学して、午後遅くに万博へ行く方が時間の節約になるかもしれません。もう少し情報収集してから出かけるべきでした。
カバが一緒ではどこへ行くのにも不便なので、いったんホテルへ戻りカバを置きしばしの休息。夕方、気合いを入れなおし上海一の繁華街
南京路へと向かいました。
地下鉄の駅から地上に出ると、そこには懐かしい南京路の喧騒がありましたが、以前より落ち着いたというのでしょうか、雰囲気が少し変っていました。南京路と西蔵路の交わる交差点に、一部が第一百貨商店と融合した四方がぐるりと輪になった大きな歩道橋があり、その上から見渡す南京路の風景が私は好きでした。今回も登るのを楽しみにしていたのですが、その歩道橋は跡形もなく取り払われすっきりとした現代風の交差点になっていて、旅人の私は少しさみしくその風景を眺めました。
人でにぎわう南京路
息子が日本語の本を買いたいというので、南京路から歩いて行ける
外文書店(外文=外国語)に連れていきました。どうして外国に来てまで日本語の本なのかわかりませんが、日本の本や雑誌の並ぶコーナーに行ってみました。だいたいどれも日本の値段の倍ぐらいの値になっています。結局息子はなにも買いませんでしたが、私は農民画関連の本を計6冊購入。どうして重たいものばかり買ってしまうのでしょう・・・。
金山農民画の写真集(右上)と農民画と物語を組み合わせて作られた絵本(5冊セット)
暗くなっても人の数は減りません。本場の北京ダックを味わったあとは第一食品商店でお土産探しです。娘はチョコレートを、息子はクルミとクッキーを、私はゲッペイをそれぞれ大量に買い込み無事お土産がそろいました。果物売り場にはドリアン、マンゴスチン、ライチ、竜眼などの熱帯果樹も並んでいましたが、その中にひとつ見たことのないものがありました。
蛇皮果500グラム48元。500グラム頼んだら6個来たので、ひとつの重さは80グラム前後でしょうか。縦が6~7センチ程度、直径が5センチ前後です。手にとっても匂いはしませんが、鼻を着けて嗅ぐと醗酵臭のような臭いが感じられます。ホテルに戻り蛇の鱗のような皮を剥くと、ニンニクによく似た白い果肉が現れました。内部は3つに分かれていて、それもまたニンニクによく似ています。果汁はなく、噛んだ感じもニンニク。臭いはドリアン。少し甘みがあります。3つに分かれた内部のそれぞれに、椿の種に似た種がひとつずつ入っていて、その種を検疫を受けて家に持ち帰りました。図鑑で調べてそれが
サラカヤシの実だとわかりましたが、美味とは記されていませんでした。
サラカヤシの実
三日目の朝は6時半にホテルを出て、午後1時には静岡空港に着いていました。大都会から一気に山の中へ。飛行機を降りたとたんもう家に着いた気がしました。上海と静岡、風景があまりにも違いすぎて、ほんの数時間で行き来してしまうとめまいがしそうです。今までのように東京や名古屋といった緩衝地帯が私のようなちょっと古い人間には必要かもしれません。
とにかく4人とも無事戻ってきました。母はまだ海外旅行に行けそうだと、体力に自信を持ったようです。子供たちは、値段交渉も含めていろいろ買い物を楽しみました。ちょっと前の中国は個性が強すぎて、好きになる人と嫌いになる人が分かれたものですが、今の中国は丸くなったというのでしょうか、すごく嫌われる要素は減った感じがします。子供たちはまた行きたいとは今のところ言っていませんが、もう行きたくないとも言っていません。親としてはほっとしています。(代表)
(完)