お茶の収穫が遅れています

毎日お茶の収穫が続いています。今年は2度にわたる遅霜の被害で平地だけでなく山の茶園の収穫量もかなり少なくなっています。天気予報では<遅霜注意報>と丁寧に予告を出してくれますが、<注意報>イコール<収量減の覚悟を決めよ>ということなんだ、と今年はつくづく思い知らされました。芽数が少なくとも収穫をする時間はさほど変わりません。


今日収穫した圃場の様子 収穫前に撮影したものです。
南アルプスの方は曇っていて山並みさえ見ることができませんが、近い山ではところどころドーム状の黄色い塊が相を成しているのが見えました。椎の芽吹きが一斉に始まったのです。

やぶきたの新芽 
例年はこのような良い芽がぎっしりと詰まっていますが今年は半分ほどです。
新茶の注文をいただいている方々、発送が遅れていまして誠に申し訳ありません。
今日まで刈ったお茶と、明日収穫したお茶を集めて再製・パック詰め加工になります。
発送は5月20日頃~。
今年は特に貴重なお茶です。もうしばらくお待ちください。


先日、農業新聞の<論点>で、JT生命誌研究館長である中村桂子さんがイチジクとハチの共利共生の関係について書かれていた記事を目にしました。イチジクは熱帯林では「鍵の木」とまで呼ばれている樹なのだそうです。それはイチジクは常に実を付け、森の動物・鳥・昆虫に食べ物を供給しているからだそうです。そしてその実はコバチがイチジクの中へ入り込んで花粉を運んでくれるので受粉・結実ができるのだそうです。続いて、地球の環境を支える重要な役割をする壮大な熱帯林は1.5㍉のコバチが支えていると言っても過言ではない。と書かれていました。

この記事を読んだ時に、コバチの動きは私達農家がしている事となんだか似ているな、と思いました。
コバチは壮大な森の中では些細な存在です。
農家の仕事も、時代の先端で活躍している方々から見れば地味で目立たない内容です。ですが、今回の霜害を見ていると、茶農家はもとより、茶業に携わる方々、消費者への影響も行く行く深刻なものになるのではないかと、とても心配になります。

※ジャボチカバ情報は明日更新します
(AYA)
by mgarden2 | 2010-05-14 23:18 | | Comments(0)
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